「相続」について考えてみましょう  2010.9.24 青山修

一気に涼しくなりました。もう猛暑については忘れましょう。
秋の夜長といえば、静かに読書をしたり、ゆっくり考え事をしたり、自由で穏やかな時間を過ごす季節ですね。そこで突然ですが、皆さんに考えていただきたいのが、何を隠そう「相続」です。

「相続」は、多くの人が遅かれ早かれ出会う事象ですし、本来とても関心が高い事と考えられます。ところが一般的には「相続」が表立って語られる事は決して多くありません。たしかに、若者にとっては「他人事」、年配の方にとっては「考えたくもない事」なのかもしれません。
また「相続」のイメージといえば、山崎豊子さんの小説『女系家族』にあるような人間関係のドロドロ、ジメジメ、骨肉の争いと、おおよそ気持ちのいい表現は見当たりません。

実際に「相続」が引き起こす問題は、とても根深く尾を引きます。相続トラブルの火種は家族の中において長い時間を掛けて燻っているのかもしれません。それまでは取りに足らない些細な事象であった事が相続開始後に一気に爆発してしまうのでしょう。
にもかかわず、多くの方が何の準備をする事もなく、何の心構えもなく、いきなり相続本番に直面するわけですから、トラブルにならない方が不思議と言えます。

それでは、将来の相続トラブルを少しでも防ぐためにすべき事とは何でしょうか?日頃から家族皆が仲良くする事でしょうか?「お前がしっかりリードしてくれよ」と長男に伝える事でしょうか?
もちろんこれらも大事な事かもしれません。しかしながら、「あとは家族皆で仲良くやってくれ」という気持ちは誰もが思う事ですし、それだけでは現実的にうまくいかないようです。

また、「我が家には財産がないから大丈夫」、「うちの家族は本当に仲がいいから心配ない」、「法律で決まった通りに分けるんだから問題ない」とこんな風にお考えではありませんか?残念ながらこれらは全て間違いと言わざるを得ません。

やはり、「遺言(ゆいごん、いごん)」を書く事だと思います。将来の相続トラブルをできるだけ防ぐために生前にすべき事は、これに尽きると思います。
とはいえ、ただそこらの便箋に思いのままを書けばいいというわけではありません。法律上一定の要件を満たした「遺言書」を作成する事をお勧めしたいと思います。

少し長くなってしまいましたので、相続トラブルを防ぐための「遺言書の作成」については次回以降に続きます。

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