「遺言書」を作成しましょう。 2010.9.27 青山修

 前回、将来の相続トラブルを防ぐためには、「遺言書」を作成すべきとお話しました。
皆さんは「遺言(ゆいごん、いごん)」について、お考えになった事がありますか?
それは皆さんの年齢によっても、また置かれた状況によっても異なる事でしょう。

 一般的に我が国では、諸外国に比べて遺言を書く人が少ないようです。
その理由としては、我が国においては昔から長男が全財産を相続する風習があり相続による争いが少なかった事、また戸籍の整備が進んでおり誰が相続人かが明確であり、わざわざ遺言を残す必要性を感じないという風潮があるのかもしれません。
もしもこれをお読み頂いているあなたが遺言を書いておられないとしたら、その理由がそれなのかもしれません。
 
 また、「遺言なんて、まだ早い」とお思いの方も多いのではないでしょうか。
我が国の民法第961条によれば、「15歳に達した者は、遺言をすることができる」とあります。よって未成年でも遺言を書ける事になります。15歳で遺言を書く人なんているのか?とお思いの方、ごもっともです。たしかに実際15歳で遺言を書く人がそんなに多いとは思えませんが、我が国の法律ではそのように規定されています。
ですから、もしも『14歳の母』からご相談があった場合には、当事務所としては「お子さんの為にも、15歳になられたら遺言を書いてはいかがでしょうか?」とお勧めしたいと思っています。

 15歳という法律の規定が実情に即しているかは置いておくとして、我が国の法律では、法定相続分よりも遺言を優先しています(民法第902条)。
つまり、まずは遺言があるかないか、もしも遺言が残されていない場合に、法定相続分に従います。要するに、遺言で指定することで、原則本人の思い通りに相続財産を配分できるというわけです。(遺留分や遺産分割などの例外については別の機会にお話しします)

 将来の相続トラブルを防ぐためには、是非とも「遺言書」を作成すべきなのですが、だからといってただ書きさえすれば相続トラブルが防げるというわけではありません。
中途半端な遺言を残した事で、かえってトラブルになったという事例もあります。要するに「どのように書くか」が重要なわけです。

 また長くなってしまいしましたので、また改めてお話したいと思います。

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