日本は危険な国? 2012.9.7 青山修

 世の中には定説と呼ばれるものがあります。言うまでもありませんが、ミイラが生きているか否かの話ではありません。個人的にすぐ思いつくのは、『刑事コロンボに駄作なし』、『妻とキッチンは明るいほうがいい』などでしょうか。『牛乳は噛んで飲むほうがいい』というのもよく言われます。しかしながら牛乳を飲むとすぐお腹をこわすという方も少なくありません。もっともストッパなら噛まなくても飲めますが。

 ここ最近『遺言書を作りたい」というお客様が増えています。昨年の大震災以降の一つの傾向かもしれません。つい先日も『最近は変な事件が多いし、物騒な世の中だから、早めに遺言を作っておきたい』というお客様からのご依頼に接しました。

 たしかに最近は、通行中に肩が当たっただけでナイフで刺された、電車内で携帯電話の通話を注意したら逆に殴られたといったトラブルを見聞きする機会が多いように思います。果たして、日本は危険な国なのでしょうか?安全神話は遠い過去の記憶なのでしょうか?皆さんはどのようにお感じですか?

 先日発表された治安に関する世論調査によりますと、日本は安全な国としながらも、『最近治安が悪化している』と感じている方が8割を超えています。→内閣府『治安に関する特別世論調査(平成24年8月)http://www8.cao.go.jp/survey/tokubetu/h24/h24-chian.pdf
 
 一方、犯罪の現状を纏めた『犯罪白書』を見てみますと、実態は私達の感覚とは異なるようです。統計上では、犯罪は増えるどころか減少傾向にあり、『三丁目の夕日』や『梅ちゃん先生』のような古き良き時代と比べても、殺人等の凶悪犯罪が格段に増えているわけでも、そこらじゅうで子供が誘拐されているわけでもないのです。→法務省『犯罪白書(平成23年版)http://www.moj.go.jp/housouken/housouken03_00056.html

 一体これはどういう事なのでしょうか?犯罪自体は減っているにも関わらず、何故我々は治安が悪化していると感じているのでしょうか?テレビのニュースやワイドショーで凶悪犯罪が繰り返しセンセーショナルに取り上げられる事が影響しているのかもしれません。

 そもそも世論調査というものは、やり方によって結果はどうにでもなりそうですから、少々穿った見方ができなくもありません。例えば、国民が『治安が悪くなっている』と感じているほうが得する人でもいるのかとさえ思えてきます。もちろん実際の所はよく分かりませんが、一考の余地はありそうですね。

 最後にもう一つだけよろしいでしょうか。よくよく考えてみると、『刑事コロンボ』シリーズの中にも、傑作とは言えない作品が何本かあるような気もします。どれとは言いませんが。こんな風にダラダラと書いている間に、そろそろうちのカミさんを駅まで迎えに行く時間となりましたので、この辺で失礼させて頂きます。最近は物騒な事件が多いですから。

カテゴリー: その他 パーマリンク